HLA遺伝子

HLA遺伝子について

ヒトのMHCであるHLA遺伝子は、第6染色体短腕部のp21.3の約4,000kbp内に存在するMHC領域によりコードされた遺伝子群により構成され、HLA分子はこれら遺伝子群に支配される遺伝子産物である.このMHC領域は、ほとんどの真核細胞膜表面上に表現されているHLA-A、-B、-C抗原系を支配するクラスI遺伝子領域と、B細胞やマクロファージなどの限定された組織あるいは細胞にしか表現されていない細胞特異的なHLA-DP、-DQ、-DR抗原系を支配するクラスII遺伝子領域および補体成分 (C2、C4、Bf)と21-ヒドロキシラーゼ(21-OH)などを支配するクラスIII遺伝子領域より構成されている.また、Bf遺伝子とHLA-B遺伝子との間に腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Facter; TNF)のα、β遺伝子や分子量7万前後の熱ショックタンパク質遺伝子(hsp70)の存在が確認されている.

参考 

現在IMGTデータベースに公認されている抗原:http://hla.alleles.org/antigens/recognised_serology.html

日本組織適合性学会誌  28 巻 2 号 p. 83-93(2021)J-STAGE掲載 HLA DNAタイピング検査技術:東史啓 https://doi.org/10.12667/mhc.28.83

平成27年度認定HLA検査技術者講習会テキスト(2015年22巻2号 J-STAGE) 次世代シークエンシングに基づくHLAゲノム・遺伝子解析:椎名隆(https://doi.org/10.12667/mhc.22.84)

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